着物のお仕立てをご注文いただく際に必ず決めていただくのが単衣仕立て、袷仕立てのどちらにするかです。
反物からお着物を作ったことがあるお客様でしたらほとんどの方がお店の方に尋ねられたと思います。
今回は単衣仕立て、袷仕立てについての記事になります。
単衣 袷 の読み方
意外と多いご質問、または間違えが多い事のが読み方です。
単衣（ひとえ） 袷（あわせ） と読みます。
良くお問い合わせのお電話などで たんい と言われたりする事がございます。単衣（ひとえ）の事ですね。
お店や店員さんに正しく情報を伝えるために是非正しい読み方をマスターしましょう。
単衣仕立て、袷仕立ての違い
着物の仕立ての種類の単衣と袷はいったい何が違うのでしょうか？
結果から申し上げると同じ着物でも全く異なる仕立てとなります。
せっかくのお着物を仕立て方を間違えると台無しになってしまうので、是非しっかりと理解して頂ける嬉しいです。
単衣仕立ての特徴
単衣仕立ては裏地が無い仕立て方です。
季節やTPOによって単衣仕立て、袷仕立てを選んでいただければと思います。
こちらは季節のわかり目に着用される事が多く、主に6月と9月に着用される事が多いです。
もちろん、単衣仕立ての着物はこの季節にしか着用してはいけない！といった制約無いのでその日の気温や天候などで臨機応変に考えて頂ければと思います。
当然裏地が無いのでわかると思いますが、寒い時期に適した着物では無く気温が高い季節に着用される事が多いです。
基本的には一度仕立てた着物を、気分によって何度も仕立て直せる・・・って訳では無いので初めに作る時にしっかりどちらの仕立て方にするか決めてから購入しましょう。
袷仕立ての特徴
袷仕立ては裏地をつけた仕立て方です。
裏地をつける時点で察して頂けれは思いますが暑い時期には適した仕立て方では無いですよね。寒い時期用のお仕立て方となります。
一般的には10月〜5月くらいの寒い時期におすすめと言われております。
裏地付きなので歩いた時などに裏地がチラチラ見えてお洒落ですよね。
お着物本体と裏地の色合いでのセンスの出し方もあったり等、裏地がある事によってもう一段階コーディネートの幅が広がりますね。
単衣仕立ての魅力
涼しげな単衣のデザイン
涼しい時期に着用される単衣仕立ての着物なので、デザインも涼し気な季節を感じる柄が多いです。
夏を先取りした紫陽花、朝顔、撫子、桔梗、波なども素敵だと思います。
また夏が終わりに近づき秋の空気が流れ始めて、紅葉、ススキ、萩、うさぎ等も良いですよね。
もちろん、無地で涼しい色合いの物もおすすめです。
単衣の季節の着こなし
季節の変わり目に着用する事が一般的な認識の単衣仕立てです。6月9月が適した季節と言わせておりますが、つまりは夏前と夏後ですよね。
その時期の草花をモチーフの柄物も良いと思います。
1年に内に2ヶ月しか着れないの？と思うかもしれませんが、勿論そんなルールは無いのでご自身が着たい時に着てOKです。
袷仕立ての魅力
華やかな袷のデザイン
袷着物は秋や冬、春に着ることが多いため着る季節に合わせて色や柄を選びましょう。暖色系の色合いで選ぶと良いかもしれませんね。
例えば秋に着用する時などは、紅葉や桔梗などの柄などですと季節感があって素敵ですよね。
冬は寒い時期ですので寒さを感じさせない華やかな色の着物だと良いですよね。梅、竹、菊などの柄ですと季節感も出ますね。
袷の季節の着こなし
袷仕立ては裏地があるので、裏地を選ぶ楽しさも単衣着物と比べて増えますね。
お着物本体との色の相性もありますので、是非お着物と裏地の選択を楽しんでみてください。
裏地が見え隠れするのが最高のオシャレでもあります。
袷仕立てで使用する裏地は何を使うの？
袷仕立てで使用する裏地は表地とは異なります。
表地のあまり生地を使用するのではなく、専用の裏地の生地がございます。
その裏地が、胴裏と八卦と呼ばれる物です。
着物の裏地に適した素材で色等も数多くございます。裏地を選ぶのも楽しみの一つですよね！
ぼかしが入っているものや、無地の物など数多くございます。表地のお着物と合わせた際のバランスやお好みで選んでいただければと思います。
基本的には裏地から選ぶ方はほとんどいないと思いますので、表地となる着物を決めていただき、その後に袷仕立てにするなら裏地を選ぶといった流れが良いですね。
どっちが安く買える？
着物の反物が同じものを使用すると仮定した場合のお話となりますが、単衣仕立ての方が安いです。
お仕立て代も裏地が無い分安くなりますし、単純に裏地の代金もかかりません。
当然お仕立ての納期も単衣より袷の方が早いです。
しかし、安いから単衣の方がいい！といった選び方ではなく、ご着用になる季節や機会でどちらが望ましいかわかれると思いますのでお着物を製作する場合はその点もご検討いただければ幸いです。
奥の深い着物の世界ですが、反物を仕立てて自分好みのお着物を製作するのが一番の醍醐味だと思います。
仕立て方の違い、裏地でのコーディネート、等、ご自分のお好み等を含めてお着物のお買い物をお楽しみいただければより一層和装の世界を楽しめると思います。
着物の事なら是非、お祭天国にお任せください！