一度は聞いたこともある寸法で「尺(しゃく)」があると思います。
でも、いったい現代のミリ、センチ等に直すとどの位なのかを知らない方が多いです。
今回は一部ではまだ利用されている尺の長さについてのご案内をさせて頂きます。
鯨尺 と 曲尺って違うの?
こちらは良くある質問です。尺には鯨尺と曲尺がございます。
鯨尺は和装の世界で使用されている寸法で今回ご案内するテーマとなります。
曲尺は長さ自体も全く異なり、鯨尺は曲尺の1尺2寸5分が鯨尺の1尺となっています。土木建築などの業界で使われている寸法になりますので、今回ご案内する鯨尺とは全く異なりますのでご注意ください。
和裁は鯨尺(くじらじゃく)と、大工さんは曲尺(かねじゃく)、鯨尺は曲尺の1.25倍あるって覚えちゃってください。そもそも、着物を作るのに曲尺は業界で使用しませんので、呉服屋さんの言っている尺が実は曲尺で案内されていた!なんて事は起こらないと思いますのでご安心ください。
着物を覚えたい方は鯨尺だけ理解しておけば大丈夫です。
鯨尺の1尺は何センチ?
1尺は約38センチ、正確には37.88センチとなります。
また、尺以外の寸法として1尺は10寸(すん)、1寸は10分(ぶ)、10尺は1丈(じょう)となります。
基本的にはお客様がわかりやすいように現代寸法のセンチ、ミリ等のご案内しているお店が多いと思いますが、まだ一部では鯨尺で表記している所もあると思いますのでご参考にしてください。
もしご不安でしたら早見表等を作っても良いかもしれませんね。
また、現代では皆さんスマホを持っているかと思いますので、訪れた呉服屋さんが全て鯨尺で案内してくる店員さんでしたら、スマホの電卓機能で案内された数字を掛け算等して変換して現代のセンチ単位に直してみるとわかりやすいと思います。
反(たん)と疋(ひき)
着物でその他の単位で良く使うのが反と疋です。
1反とはどの位の長さなのでしょうか?
1反とはお着物を仕立てるのに必要な反物の長さですね。
疋とは2反にあたります。
色々な馴染みの無い単位が多くてわかりにくいかとも思いますが、覚えると意外と便利だったりしますので是非このご機会に覚えちゃってください。
でも、お店に行ってお店の方が専門用語やこのような単位でお話を進められてしまいわからない、計算できない、等ございましたら、素直にセンチで言ってもらえないですか?と言って全く問題ございません。
自分が理解する事が一番大事なので恥ずかしがらず言ってみてください!
反物についてはこちらもご参考ください。
鯨尺はいつ使われていたの?
元々は江戸時代から使われていた裁縫用の物差しです。
クジラのくじらひげでつくられたことに由来すると言われておりますが、真実かは不明です。
1959年以降はメートル法による統一のため使用は禁止されていたが,1977年に再度使用が可能となりました。
現在はあまり利用されなくなってきました鯨尺ですが、覚えておいて損はございませんので是非知識の片隅に置いておいても良いかと思います。
尺で表記されているものを見つけたとしても、今ですと1尺の長ささえ暗記しておけばスマホの電卓などですぐに計算してセンチに変換できるはずですし困ることも少ないかと思います。
是非鯨尺の単位も覚えてさらに和装の世界を楽しんで下さい!